2014年05月16日 中山間地域調査視察に行ってまいりました! 〜 島根県隠岐郡海士町
4月、島根県隠岐郡海士町に19名の議員団で中山間地域調査に行ってまいりました。一昨年は福井県、昨年は徳島県の三町に続く3度めの地域調査研修です。
ご存知のように、海士町は私が生まれ育った故郷です。私が小学生の頃、島の人口は6‚600人でしたけれども、現在はその1/3の2‚300人程度です。しかし、今、この2‚300人の島が大フィーバーしています。
その一つは、関東・関西方面からIターンの若者達が270人が島に入ってきており、しかも定住しております。実に、人口の10%以上です。彼らは町行政とともに起業を学び、月額15万円の助成金を3年間もらいながら生活をし、その間に海士町で新たな起業を起こすということに取り組んでいます。
次に、県立隠岐島前高校と町行政が一体となって高校魅力化プロジェクトを立ち上げ推進しております。
県立隠岐島前高校はかつて就職を目指していた学校ですが、進学を目指す学校に変容させる取り組みが行われています。島留学制度を導入し、県外から1学年24名の留学生を受け入れています。留学生のために寮を整備し、また、故郷に帰省する際は年4回の旅費等の補助をしております。また、高校生のための町営の学習塾を立ち上げ、放課後や夜の学習指導にIターン者達も当っています。費用面では、寮の宿泊食事費は約2万円、塾の授業料が1万円、高校の授業料は当然無料です。つまり、1ヶ月3万円でを勉強に集中して高校生活を送ることができます。
これらの取り組みが功を奏し、3年連続して1クラス増を実現しました。ちなみに、今年は入校希望者の100人程度を不合格にしています。
私が中学生の頃、中学生は金の卵といわれて多くの若者達が都会に働きにでかけました。それを象徴する歌が 井沢八郎の「ああ上野駅」です。戦後間もない頃から、地方は都会を発展させるための担い手を送り続けてきたのです。ところが、隠岐島前高校の取り組みは、その流れを都会から地方へという逆の発想です。
しかもそれだけでなく、地方が、都会あるいは世界に向けて、それを先導するような考え方で取り組んでいます。彼らはそれをグローカルと呼んでいます。
グローカルとは、ローカルとグローバルを掛けあわせた新しい言葉です。地方から、都会の知恵や力を導入する、あるいは、地方から世界へ発信する。そういう構想で高校魅力化プロジェクトに取り組んでいるのです。
さて、島に人が残るために何としても必要なことは、産業振興です。そのために海士町が取り組んでいることがいくつかあります。
まず1番目は、CAS(キャス)凍結センターです。CAS(キャス)とは、もともと人間の生体肝移植の際に使われている細胞を生きたまま凍結させる技術です。この技術を海産物の保存に利用したものが、CAS(キャス)凍結センターです。この冷凍庫では、半永久的に魚の美味しさを保つことができます。ですから、大漁期に獲れた魚を保存をすることで、豊漁・不漁を問わず定期的に出荷できることが可能となります。
2番めは隠岐牛の育成に取り組んでいる「しおかぜファーム」です。隠岐牛は、かつては子牛で出荷されていました。しかし、10年ほど前から、隠岐生まれ隠岐育ちの成牛とし出荷するよう方向転換しています。今は月産12頭ですが、これを拡大し月産24頭にまで持っていこうと、育舎の整備拡張に取り組んでいます。
3番目は、岩牡蠣工場です。海士町の岩牡蠣は、5月が最盛期で6月頃まで続きます。海士町では、栽培漁業に成功し漁獲量が大幅に上がっています。CAS冷凍庫に保存することで、生の岩牡蠣と同じ美味しさを半永久的に保つことができるので、四季を問わず、年間いつでも出荷できる体制が整えられています。
4番目は、「海士乃塩」づくりです。海士町には、環境省選定日本名水百選に選ばれた「天川の水」があります。「天川の水」が流れ込む保々見湾の海水を使い、手づくりで天然塩「海士乃塩」が生産されています。この塩はなぜか食材の甘みを引き出す不思議な塩で、野菜にかけて食べるとその野菜が甘くなります。微粒子状の塩、大粒なざらめのような塩などがあります。高価なものではありますが、なかなか人気があるようです。
これらの製品は「島風便」として、業務用はもちろん一般の人にも利用されています。ホームページ、公式ブログもありますので、ぜひご覧になってみてください。
海士町では、他にも「海藻センター」を立ち上げ、干し海鼠などを作って中国に輸出する事業に取り組んでいます。このような活性化策が見事に成功し、人口・世帯数増加をなしとげた活力ある海士町の視察し、県議の皆さんは小さい島ながらその島の勢いに感動しておられました。また、私ごとながら、故郷海士町の活況をつぶさに見ることができ嬉しい視察でありました。
■ふるさと海士 >> http://ama-cas.sakura.ne.jp/
■島風生活 >> http://www.shimakazelife.com/
ご存知のように、海士町は私が生まれ育った故郷です。私が小学生の頃、島の人口は6‚600人でしたけれども、現在はその1/3の2‚300人程度です。しかし、今、この2‚300人の島が大フィーバーしています。
その一つは、関東・関西方面からIターンの若者達が270人が島に入ってきており、しかも定住しております。実に、人口の10%以上です。彼らは町行政とともに起業を学び、月額15万円の助成金を3年間もらいながら生活をし、その間に海士町で新たな起業を起こすということに取り組んでいます。
次に、県立隠岐島前高校と町行政が一体となって高校魅力化プロジェクトを立ち上げ推進しております。
県立隠岐島前高校はかつて就職を目指していた学校ですが、進学を目指す学校に変容させる取り組みが行われています。島留学制度を導入し、県外から1学年24名の留学生を受け入れています。留学生のために寮を整備し、また、故郷に帰省する際は年4回の旅費等の補助をしております。また、高校生のための町営の学習塾を立ち上げ、放課後や夜の学習指導にIターン者達も当っています。費用面では、寮の宿泊食事費は約2万円、塾の授業料が1万円、高校の授業料は当然無料です。つまり、1ヶ月3万円でを勉強に集中して高校生活を送ることができます。
これらの取り組みが功を奏し、3年連続して1クラス増を実現しました。ちなみに、今年は入校希望者の100人程度を不合格にしています。
私が中学生の頃、中学生は金の卵といわれて多くの若者達が都会に働きにでかけました。それを象徴する歌が 井沢八郎の「ああ上野駅」です。戦後間もない頃から、地方は都会を発展させるための担い手を送り続けてきたのです。ところが、隠岐島前高校の取り組みは、その流れを都会から地方へという逆の発想です。
しかもそれだけでなく、地方が、都会あるいは世界に向けて、それを先導するような考え方で取り組んでいます。彼らはそれをグローカルと呼んでいます。
グローカルとは、ローカルとグローバルを掛けあわせた新しい言葉です。地方から、都会の知恵や力を導入する、あるいは、地方から世界へ発信する。そういう構想で高校魅力化プロジェクトに取り組んでいるのです。
さて、島に人が残るために何としても必要なことは、産業振興です。そのために海士町が取り組んでいることがいくつかあります。
まず1番目は、CAS(キャス)凍結センターです。CAS(キャス)とは、もともと人間の生体肝移植の際に使われている細胞を生きたまま凍結させる技術です。この技術を海産物の保存に利用したものが、CAS(キャス)凍結センターです。この冷凍庫では、半永久的に魚の美味しさを保つことができます。ですから、大漁期に獲れた魚を保存をすることで、豊漁・不漁を問わず定期的に出荷できることが可能となります。
2番めは隠岐牛の育成に取り組んでいる「しおかぜファーム」です。隠岐牛は、かつては子牛で出荷されていました。しかし、10年ほど前から、隠岐生まれ隠岐育ちの成牛とし出荷するよう方向転換しています。今は月産12頭ですが、これを拡大し月産24頭にまで持っていこうと、育舎の整備拡張に取り組んでいます。
3番目は、岩牡蠣工場です。海士町の岩牡蠣は、5月が最盛期で6月頃まで続きます。海士町では、栽培漁業に成功し漁獲量が大幅に上がっています。CAS冷凍庫に保存することで、生の岩牡蠣と同じ美味しさを半永久的に保つことができるので、四季を問わず、年間いつでも出荷できる体制が整えられています。
4番目は、「海士乃塩」づくりです。海士町には、環境省選定日本名水百選に選ばれた「天川の水」があります。「天川の水」が流れ込む保々見湾の海水を使い、手づくりで天然塩「海士乃塩」が生産されています。この塩はなぜか食材の甘みを引き出す不思議な塩で、野菜にかけて食べるとその野菜が甘くなります。微粒子状の塩、大粒なざらめのような塩などがあります。高価なものではありますが、なかなか人気があるようです。
これらの製品は「島風便」として、業務用はもちろん一般の人にも利用されています。ホームページ、公式ブログもありますので、ぜひご覧になってみてください。
海士町では、他にも「海藻センター」を立ち上げ、干し海鼠などを作って中国に輸出する事業に取り組んでいます。このような活性化策が見事に成功し、人口・世帯数増加をなしとげた活力ある海士町の視察し、県議の皆さんは小さい島ながらその島の勢いに感動しておられました。また、私ごとながら、故郷海士町の活況をつぶさに見ることができ嬉しい視察でありました。
■ふるさと海士 >> http://ama-cas.sakura.ne.jp/
■島風生活 >> http://www.shimakazelife.com/
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