2016年10月31日 教育再生・子ども応援特別委員会の県外調査に行ってまいりました
10月3日から教育再生・子ども応援特別委員会の県外調査に行ってまいりました。
最初に訪問したのは京都にある京都市立洛友中学校です。不登校を経験し克服しようとする昼間部生徒と、様々な事情により義務教育を果たすことができなかった夜間部(二部学級)生徒が、世代や国籍を超えてふれあい学び合う全国唯一の学校として平成19年4月に開設されました。文部科学省より「不登校生徒対象の特別の教育課程編成での教育を実施する学校」に指定されております。平成28年度の春からは、不登校などでほとんど中学校に通わずに卒業した形式卒業者の入学を認めるなど、多様な教育の機会の確保に先進的に取り組んでいます。
現在は、昼間部15名と夜間部29名、合わせて44名が在籍をしています。夜間部の年齢構成を見ますと、10代が1名、20代が1名、40代が2名、50代が7名、60名が5名、70代が13名となっています。そのうち、日本国籍の生徒が7名、韓国朝鮮籍の人が17名、中国籍が5名です。文部科学省の調査では、夜間中学に在籍する人は全国で1800人を超えていますが、その約80%が外国籍であります。この洛友中学校も、75.8%が外国籍の生徒です。世代間を超えて民族国籍を超えて、ともに学び合う学校として文化の共生社会を作っている様子です。
気になった点はといいますと、教職員は26人ですから、一人あたりの生徒数の割合が少ないことです。今後の課題として、新規入学制度の拡大・多様化する学力差に応じた指導法、進度別・適応別クラス編成の工夫による学習の一層の充実化、学齢期の生徒や高齢者等に対する諸条件の整備などが挙げられておりました。今後の取り組みに期待いたしております。
次に訪ねたのは草津市のHOPPAという民間企業が運営する小規模認可保育園です。学習塾では大変有名な京進が経営しており、全国にある382の拠点のうち保育事業は30園を展開しています。来年の4月には兵庫県・神奈川県・千葉県にも新たな保育園が開設されるそうです。
小規模認可保育園でありますけれども、同時に少人数で手厚い保育を目指しています。英語教育に大変力を入れているとうかがい、今回は、英語の授業を視察しました。ネイティブの先生が常駐し毎日英語を集中的に学ばせることで、将来の国際社会に活躍できる人づくりを実践しているとのことです。ほかにも、京進が培ってきた能力開発のためのオリジナルプログラムが導入され、大変先駆的な保育内容であると見受けられます。
翌日は、滋賀の縁創造実践センターの視察でした。<誰もが「おめでとう」と誕生を祝福され、「ありがとう」と看取られる地域づくり>を掲げています。滋賀県社会教育協議会が事務局となっており、「一人の不幸も見逃さない」「気づいたものが実践する」を基本姿勢に、志を同じくする滋賀県内の民間福祉関係者が分野や立場を越えて設立されました。トータルサポートの福祉システム化、制度の充実と制度外サービスへの取り組み推進、縁・支え合いの県民運動のため、地域で暮らすことを支える仕組みづくりと実践が行なわれております。
特に、モデル事業として、制度外サービスへの取り組みがあります。法的に措置されておらず、行政側が見落としている、つまり制度の外にあるもので、センターが自主的に取り組み・実践しているサービスです。例えば、福祉施設を活用したしんどさを抱える子どもの夜の居場所「フリースペース」・児童養護施設や里親家庭の子どもの自立支援事業・成人期のひきこもりがちな人と家族の支援事業などがあります。
また、子どもの貧困対策として、子どものための安全基地、居場所づくりとして「子ども食堂」を推進しています。平成27年からは、「遊べる・学べる淡海子ども食堂」モデル事業が開始され、平成28年には31ヶ所となっています。
私達は、養護老人ホームながはまで開かれている「ながはま子ども食堂」を視察いたしました。地域のつながりをつくり、地域全体で子どもを育て、子どもを中心として地域全体の活性化を目指し、毎月第3水曜日にホームの地域交流スペースで開かれております。包丁などの道具の使い方や配膳など、子ども達にとっては、お手伝いの学習にもなっているようです。参加費は一人200円で、食後の片付け等のお手伝いをすれば無料になります。私としては、裏山を散策したり、メンコやかるた、お手玉などの伝承遊びをしたり、友達同士で一緒に遊んだ後にみんなで一緒に食べるなどしてはどうかと思いました。
これら縁創造実践センターの取り組みは、福祉の新しい手法へのチャレンジであり、滋賀の新しい福祉文化を創り発信していくとうかがい、大変勉強になりました。
その後、京都市内にある漢字ミュージアムを訪ねました。平成28年6月にオープンし、公益財団法人日本漢字能力検定が運営をしています。日本で初めての漢字に焦点を絞った、触れる・学ぶ・楽しむことのできる体験型博物館です。グラフィック展示や映像シアターがあり、資料に触れることのできるハンズオン装置を備えたコーナーもありました。その他も、様々に漢字文化が体験できるようになっており、なかなか興味深いものでした。
現在は常用漢字が使われ、漢字の数は制限されておりますが、本来8万字以上あります。日本が戦争に敗れ、戦後、国語審議会ができました。国語審議会は、当面当座使う「当用漢字」として、漢字を1850字に制限をしたのです。その後、昭和56年になって常用漢字に変わりました。
漢字能力検定協会でも、検定は常用漢字・教育漢字の範囲内で行なわれております。漢字は文化です。ナタやクワと一緒で使わなければ錆びていきます。使われなければ忘れられてしまします。漢字ミュージアムには、もっと自由にもっとオープンに漢字を使い、広めていってもらいたいものです。
最終日は、橿原公苑を訪問し、その後、橿原神宮に雨の降る中お詣りいたしました。
秋雨の
そぼ降る玉砂利 踏みしめて
橿原宮に 今たどり着く
と、一句詠みました。
最初に訪問したのは京都にある京都市立洛友中学校です。不登校を経験し克服しようとする昼間部生徒と、様々な事情により義務教育を果たすことができなかった夜間部(二部学級)生徒が、世代や国籍を超えてふれあい学び合う全国唯一の学校として平成19年4月に開設されました。文部科学省より「不登校生徒対象の特別の教育課程編成での教育を実施する学校」に指定されております。平成28年度の春からは、不登校などでほとんど中学校に通わずに卒業した形式卒業者の入学を認めるなど、多様な教育の機会の確保に先進的に取り組んでいます。
現在は、昼間部15名と夜間部29名、合わせて44名が在籍をしています。夜間部の年齢構成を見ますと、10代が1名、20代が1名、40代が2名、50代が7名、60名が5名、70代が13名となっています。そのうち、日本国籍の生徒が7名、韓国朝鮮籍の人が17名、中国籍が5名です。文部科学省の調査では、夜間中学に在籍する人は全国で1800人を超えていますが、その約80%が外国籍であります。この洛友中学校も、75.8%が外国籍の生徒です。世代間を超えて民族国籍を超えて、ともに学び合う学校として文化の共生社会を作っている様子です。
気になった点はといいますと、教職員は26人ですから、一人あたりの生徒数の割合が少ないことです。今後の課題として、新規入学制度の拡大・多様化する学力差に応じた指導法、進度別・適応別クラス編成の工夫による学習の一層の充実化、学齢期の生徒や高齢者等に対する諸条件の整備などが挙げられておりました。今後の取り組みに期待いたしております。
次に訪ねたのは草津市のHOPPAという民間企業が運営する小規模認可保育園です。学習塾では大変有名な京進が経営しており、全国にある382の拠点のうち保育事業は30園を展開しています。来年の4月には兵庫県・神奈川県・千葉県にも新たな保育園が開設されるそうです。
小規模認可保育園でありますけれども、同時に少人数で手厚い保育を目指しています。英語教育に大変力を入れているとうかがい、今回は、英語の授業を視察しました。ネイティブの先生が常駐し毎日英語を集中的に学ばせることで、将来の国際社会に活躍できる人づくりを実践しているとのことです。ほかにも、京進が培ってきた能力開発のためのオリジナルプログラムが導入され、大変先駆的な保育内容であると見受けられます。
翌日は、滋賀の縁創造実践センターの視察でした。<誰もが「おめでとう」と誕生を祝福され、「ありがとう」と看取られる地域づくり>を掲げています。滋賀県社会教育協議会が事務局となっており、「一人の不幸も見逃さない」「気づいたものが実践する」を基本姿勢に、志を同じくする滋賀県内の民間福祉関係者が分野や立場を越えて設立されました。トータルサポートの福祉システム化、制度の充実と制度外サービスへの取り組み推進、縁・支え合いの県民運動のため、地域で暮らすことを支える仕組みづくりと実践が行なわれております。
特に、モデル事業として、制度外サービスへの取り組みがあります。法的に措置されておらず、行政側が見落としている、つまり制度の外にあるもので、センターが自主的に取り組み・実践しているサービスです。例えば、福祉施設を活用したしんどさを抱える子どもの夜の居場所「フリースペース」・児童養護施設や里親家庭の子どもの自立支援事業・成人期のひきこもりがちな人と家族の支援事業などがあります。
また、子どもの貧困対策として、子どものための安全基地、居場所づくりとして「子ども食堂」を推進しています。平成27年からは、「遊べる・学べる淡海子ども食堂」モデル事業が開始され、平成28年には31ヶ所となっています。
私達は、養護老人ホームながはまで開かれている「ながはま子ども食堂」を視察いたしました。地域のつながりをつくり、地域全体で子どもを育て、子どもを中心として地域全体の活性化を目指し、毎月第3水曜日にホームの地域交流スペースで開かれております。包丁などの道具の使い方や配膳など、子ども達にとっては、お手伝いの学習にもなっているようです。参加費は一人200円で、食後の片付け等のお手伝いをすれば無料になります。私としては、裏山を散策したり、メンコやかるた、お手玉などの伝承遊びをしたり、友達同士で一緒に遊んだ後にみんなで一緒に食べるなどしてはどうかと思いました。
これら縁創造実践センターの取り組みは、福祉の新しい手法へのチャレンジであり、滋賀の新しい福祉文化を創り発信していくとうかがい、大変勉強になりました。
その後、京都市内にある漢字ミュージアムを訪ねました。平成28年6月にオープンし、公益財団法人日本漢字能力検定が運営をしています。日本で初めての漢字に焦点を絞った、触れる・学ぶ・楽しむことのできる体験型博物館です。グラフィック展示や映像シアターがあり、資料に触れることのできるハンズオン装置を備えたコーナーもありました。その他も、様々に漢字文化が体験できるようになっており、なかなか興味深いものでした。
現在は常用漢字が使われ、漢字の数は制限されておりますが、本来8万字以上あります。日本が戦争に敗れ、戦後、国語審議会ができました。国語審議会は、当面当座使う「当用漢字」として、漢字を1850字に制限をしたのです。その後、昭和56年になって常用漢字に変わりました。
漢字能力検定協会でも、検定は常用漢字・教育漢字の範囲内で行なわれております。漢字は文化です。ナタやクワと一緒で使わなければ錆びていきます。使われなければ忘れられてしまします。漢字ミュージアムには、もっと自由にもっとオープンに漢字を使い、広めていってもらいたいものです。
最終日は、橿原公苑を訪問し、その後、橿原神宮に雨の降る中お詣りいたしました。
秋雨の
そぼ降る玉砂利 踏みしめて
橿原宮に 今たどり着く
と、一句詠みました。
- |県政
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